ボルネオ熱帯雨林における夜間CO2フラックス
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概要
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東南アジア・ボルネオ熱帯雨林における微気象,純生態系交換量 (NEE),土壌呼吸速度,循環場の諸データを用いて,夜間における生態系呼吸量を正確に見積もるための検討を行った.土壌呼吸計測結果との比較により,強安定条件では樹冠上フラックスが適正に計測されないため,夜間呼吸量が正確に見積もることができないことが分かった.弱安定条件下では,夜間NEEが適正に計測されることが期待され,樹冠上フラックスが夜間NEEの約95%を説明した.よって,年間の夜間呼吸量を見積もるためには,弱安定条件下で計測されたNEEを用いた内挿が有効であることが示唆された.本研究の観測期間において,夜間の摩擦速度に明瞭な季節性がみられ,1~3月に大きな値を示した.これは北東モンスーンの直接的流入に影響されており,乱流変動法による夜間呼吸量計測が可能となる弱安定条件の形成はアジアモンスーンに依存することが分かった.
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