長大伏越し管路における水と空気の挙動に関する数値解析モデルの構築―水理模型実験に基づく非定常数値解析モデルの提案―:—水理模型実験に基づく非定常数値解析モデルの提案—
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概要
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地下空間利用が進む大都市では, 雨水を排除する下水道管路は大口径, 大深度化し, 近年下流側をふかし上げる長大伏越し管路が出現している. しかし, 豪雨時には雨水流入による管路内の急激な水位上昇や空気の噴出による, 人孔蓋の浮上·飛散の発生の危険性が懸念されている. 今後増加が予想される長大伏越し管路は, 複数の流入地点や伏越し管同士の合流も考えられる一般系管路であることから, 非定常解析が可能なモデルを確立することが必要となる. そこで, 下水道管路で発生する非定常性の強い流況を再現できる数値解析モデルを提案した. これまで水だけを対象としてきた非定常計算モデルを改良し管内空気の挙動も合わせて解析する数値計算モデルを提案し, 筆者らが行った水理模型実験結果との比較検討を行った. 管内の水の挙動に関する基礎方程式に管内空気圧力の効果を加えた. 人孔開口部における管路内空気の排出特性については, 縮流効果を考慮するものとし縮流係数<I>C<SUB>m</SUB></I>を設定しtry and error計算により0.8程度が妥当と判断された. 伏越し管路が満管となった以後に管内に閉じ込められた空気の人孔への排出空気量は, 伏越し管路の空気圧力と人孔内空気圧力の差により算定するものとし, 伏越し管路から人孔へ空気移動について空気流出係数<I>C</I>を設定し水理模型実験結果に近似した結果を得て, 0.3∼0.7の範囲に入ることが判った.
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