腹腔鏡下子宮筋腫摘出術の手術時間および合併症に影響する因子に関する後方視的検討
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概要
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腹腔鏡下子宮筋腫摘出術(LM)における合併症の発生状況を調査し,さらにLM手術時間に関連する諸因子を分析することを目的に本研究を行った. 研究対象は高の原中央病院産婦人科にて2010年1月から2012年3月までに実施された全LM症例(n=397)で,手術時間203分以上のものを長時間手術,それ未満を短時間手術と定義した.合併症は短時間手術群で33/336(9.8%),長時間手術群で30/61(49.2%)に認められた(p<0.001).合併症のほとんどは軽微なものであり,追加的処置を要したのは4例(1.0%)のみであった.手術時間を従属変数とした前進ステップワイズ回帰分析を行ったところ,患者基本情報として体重が,手術情報として術中出血量,摘出筋腫個数および重量が,術後情報として術後1日目CRP値および術後入院期間がそれぞれ貢献因子として抽出された.各貢献因子は手術時間との間に正の相関を示した.長時間手術は周術期合併症と関連する.摘出筋腫個数および摘出筋腫重量の増加は手術時間および術中出血量の増加と関連する.唯一の可変因子は体重であり,症例によっては術前の体重コントロールが望まれる.〔産婦の進歩66(2):71-77,2014(平成26年5月)〕
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