3次元メッシュ電子透かし手法の攻撃耐性と計算効率の改善
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概要
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本論文では,3次元ポリゴンメッシュを対象とし,そのメッシュの幾何形状の「低周波」成分をメッシュスペクトルの領域で変更することで透かしを埋め込む手法について述べる.本論文の手法は我々の以前の手法1)に基づくが,以前の手法の持つ2つの問題点を改善した.2つの問題点とは,(1)ポリゴン簡単化などによる頂点接続性の変更で透かしが破壊される,(2)計算コストが高い である.接続性変更に対する耐性は,取り出し対象メッシュの幾何形状を元メッシュの接続性でリサンプルして実現した.計算コストの低減は,メッシュを複数の互いに非連結な部分メッシュ領域に分割し,その部分メッシュのみに透かしを入れることで実現した.新たな手法で得られた透かしは,我々の以前の手法による透かしと同様,メッシュスムージング,部分切り取り,ノイズの重畳,などにある程度の耐性を持つのに加え,より広いクラスの攻撃に対して耐性を持つ.例えば,新たな手法で得られた透かしは,頂点接続性変更,相似変換,部分切り取りを組み合わせた複合攻撃に対してもある程度の耐性を持つ.また,より大きなメッシュ,例えば数万頂点よりなるメッシュに対しても透かしを埋め込めるようになった.実験の結果,例えば,66kポリゴンのメッシュに透かしを入れた後,同メッシュを半分以下のポリゴン数に簡単化し,部分的に切り取り,更に相似変換を加えた結果のメッシュからも透かしを取り出すことができた.
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一般社団法人 画像電子学会 | 論文
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