数値気象モデルを利用した屋外活動空間の暑熱評価
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概要
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本研究では,種々の屋外活動空間で計測される夏季の暑熱環境を数値気象モデルによって再現し,その有効性を評価した.対象屋外空間には大阪市街地内の商業街区・住宅街区・大規模緑地公園を,暑熱指標には WBGT(湿球黒球温度)を選んだ.計測された WBGT には屋外空間による差異が明瞭に現れていた.街区構造や人間活動を取り入れた数値気象モデルを使ってもこの特徴を再現することができ,暑熱環境評価において屋外空間の違いを考慮する重要性が示唆された.解析期間とした 2007 年 8 月 6 日から 8 月 14 日までの観測された WBGT の 1 時間値に対して,いずれの屋外空間でも「警戒」に相当する 25~28℃の WBGT を 60%以上再現することができた.また,「厳重警戒」に相当する 28~31℃の WBGT を記録する時間帯に対しては,商業街区で 65.7%,住宅街区で 59.7%,大規模緑地では 75.8%の再現率を示した.本研究で開発されたモデルが屋外活動空間の暑熱評価に有用であることが示された.
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