歩行者の外観に基づく clo 値推定の試み ‐定点観測結果を用いて‐:―定点観測結果を用いて―
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概要
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本研究は,既発表の調査結果をもとに,定点観測写真上の被験者の全着衣量(clo 値)を外観から推定することを試み,既報データや温熱指標と比較することによって,外観から人々の着衣量を推定する方法の可能性を探ることを目的とした.着衣量の推定に当たっては,ある季節の外衣に対して,その内衣及び下衣として普段着用している衣服の種類をアンケート調査し,これを基に,対象となる外観に対応する着用衣服の種類と着衣枚数を推定した.推定された各単品衣服に clo の文献値を当てはめ,和をもって着用衣服全体の clo 値とした.算出された clo 値にはかなりのバラツキがみられたものの,男性の clo 値が女性より大きい傾向を示し,男女とも平均 clo 値は調査日の日内平均気温と有意な相関を示した.気温と clo 値の関係は既報着衣量調査結果の範囲内に位置した.温熱指標 SET* の快適域との比較では,27℃以下の環境においては快適域の範囲内にあり,27℃以上の環境においては男性の推定着衣量が快適域より高くなり,現代人の現実の着衣量の実態が示された.これより,外観から着衣量を推定するという本研究の調査方法の妥当性が示唆された.
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