暑熱環境が消火活動時の隊員の心身機能に及ぼす影響
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概要
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消防隊員の熱中症を予防するための基礎資料を得るために,夏季の外気温を想定した 3 種類の温熱条件(35℃,30℃,25℃;湿度 70%)下で,消火活動模擬実験を行った.その実験では,消火活動装備品を装着した男性消防隊員 16 名が,自転車エルゴメータペダリング運動による模擬消火活動を実施した時の生理的反応と自覚的感覚を測定した.許容温度(耳内温:39.0℃)に上昇するまでの時間と発汗量は,35℃の温熱条件下では 20.0 分と 2.5 kg/h,30℃で 26.6 分と 2.0 kg/h であった.25℃では,実験上限時間の 40 分経過時点で平均耳内温が 38.5℃,発汗量が 1.7 kg/h であった.Borg スケールの RPE と温熱感覚には温熱条件による有意差(p<0.05)が認められた.また,両値はそれぞれ耳内温と有意な(p<0.001)正相関を示した.30℃以上の環境下で長時間消火活動を行う場合は,着衣の見直し,身体冷却及び飲水や休憩等の対策を講じることが必要であると考えられる.
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