長時間座位に伴う下腿周径および血液成分変動に及ぼす低圧・低湿度の影響
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概要
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航空機により長距離移動が可能となった.その際長時間座位を余儀なくされ,エコノミークラス症候群を引き起こすと考えられている.一方,航空機内は低圧や低湿度環境であるが,これらの環境を組み合わせた,低圧および低湿度環境が長時間座位時の生理変動に及ぼす影響を検討した研究は見ることができない.そこで本研究では,これらの点を解明すべく健常男子学生9名を対象とし,以下にあげる4条件で2時間安静椅座位を行った(A:0m相当高度・60%RH,B:0m相当高度・20%RH,C:2000m相当高度・60%RH,D:2000m相当高度・20%RH).実験前後に体重及び下腿周径を測定し,さらに静脈血を足部から採取した.その結果,実験後に下腿周径は全条件有意に増加し,低圧時に増加度が高いことが認められた.アルブミンおよび総蛋白は条件B,C,Dにおいて,赤血球数は条件B,Dにおいて,ヘマトクリットは条件Dにおいて有意な増加が認められた.以上から,低圧及び低湿度環境での長時間座位はうっ血や血液濃縮を促進させる可能性が示された.
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