日本と韓国の小学校児童の着衣に関する調査研究
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概要
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日本と韓国における小学生の着衣実態を明らかにする目的で,1997年の春夏秋冬,各国約70名を対象とした着衣調査が行なわれた.調査項目は室内・戸外の気温・湿度,着用被服の素材・形状,着用感で,各着衣状態の写真撮影も実施した.また,市販の単品被服201着を収集・リスト化し,このリストをもとに調査被服の厚さ・重量を推定,単品被服及び着衣全体のclo値をMcCulloughらの式より求めた.結果,日本・韓国共に夏<春・秋<冬(室内)<冬(戸外)と着衣量の明瞭な季節変化を示し,日本の女児を除いて向寒期の秋より向暖期の春で大なる傾向がみられた. 調査日の気温と着衣重量・clo値の関係をみると,夏を除く季節で韓国が日本より有意に大であり,韓国児童の厚着傾向が認められた.しかし,これを調査月の平均気温との関係でみると,両国ほぼ一致した関係曲線上にあり,韓国の児童は調査当日というよりもその前後期間の外気温の平均値に合わせて着衣していることが示され,冬季の外気温が日本よりも約3~5℃低いことが厚着の一要因と考えられた.
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