歩行時の腕振りの有無と内容物が異なる荷物運搬歩行間での身体反応の違い
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概要
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〔目的〕健常者が胸郭前方で両側上肢を用いて荷物を運搬する際に,荷物の内容物と,腕振りの有無によって身体反応に相違があるのかを明らかにすることである.〔対象と方法〕健常成人15名(男性8名,女性7名,平均年齢24歳)とした.方法は水平なトレッドミル上で,1 kgの重錘ベルトを両手首に装着しての歩行(以下,手首歩行とする),1 kgの重錘ベルト2個が入った缶を運搬する歩行(以下,ベルト歩行とする)と,水をほぼ一杯に満たした500 ccの計量カップ2個に重錘ベルトを加えてベルト歩行と同重量の歩行(以下,カップ歩行とする)を1.5 km/h(低速)と3.5 km/h(高速)の2条件で施行した.酸素摂取量,心拍数,歩行率を測定し,手首歩行,ベルト歩行,カップ歩行の3課題を要因とした一元配置分散分析を行い,Bonferroni法にて群間比較を行った.〔結果〕低速および高速で,酸素摂取量,心拍数ともすべての課題間で有意差を認めた.歩行率は,低速ではベルト歩行とカップ歩行の間のみ有意差を認めた.高速では手首歩行とカップ歩行,ベルト歩行とカップ歩行の間で有意差を認めた.〔結語〕ベルト,カップ歩行では手首歩行に比べると,歩行速度に関わらず酸素摂取量,心拍数の増加が見られる.さらに不安定な荷物を運搬する際には,歩行率を増加,すなわち歩幅を減少させて身体動揺を制御するため,全身的な筋活動が増加したと解釈される.
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