片膝しゃがみ位からの重量物持ち上げ動作に対する下肢の機能の左右の相違の影響
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概要
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〔目的〕本研究の目的は,片膝しゃがみ位で床面から重量物を持ち上げる際に,下肢の機能の左右の相違が床反力に与える影響について検討することである。〔対象〕対象者は,平均年齢20.5±3.6歳の学生30名である。〔方法〕ボールを蹴る側の脚を利き脚と規定し,利き脚と非利き脚の等尺性膝伸展筋力,利き脚を前にした場合と非利き脚を前にした場合の片膝しゃがみ位を開始肢位とし,床面から重量物を持ち上げる際の床反力を測定した。〔結果〕膝伸展筋力には,利き脚と非利き脚との間で有意差は認められなかった。利き脚と非利き脚をそれぞれ前に出した時の床反力には,Fz,Fx,Fyのいずれも有意差は認められなかった。FxおよびFyと左右の筋力の間には有意な相関は認められなかった。Fzについては,筋力との間に有意な相関が認められたが,利き脚を前にした場合の方が非利き脚を前にした場合よりも相関が比較的強かった。〔結語〕以上より,利き脚は動作を行う際に純粋に筋力を反映させることが可能な,いわば器用な脚と推察された。それに対して,非利き脚は純粋に筋力のみを動作に反映することはできず,巧緻性や協調性などの影響を受け運動を調節するために他の要素も必要となる,いわば器用さの劣る脚であると考えられた。
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