脳性麻痺児における歩行時の効率に対する空間時間的変数の影響
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概要
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[目的]本研究の目的は,脳性麻痺児における歩行時の効率に対する空間時間的変数の影響を明らかにすることである。[対象]対象は実用歩行が可能な痙直型両麻痺児(以下,CP児)9名であり,年齢の平均値±標準偏差は12.8±3.5歳(範囲:7歳5ヶ月から18歳9ヶ月)であった。[方法]空間時間的変数として,10 m歩行時の歩行速度,歩幅,及び歩行率を,歩行時の効率の指標として,4分間歩行中の脈拍数,歩行速度,及びPhysiological Cost Index(以下,PCI)を測定し,Pearsonの相関係数を求めた。[結果]4分間歩行時脈拍数と空間時間的変数との間には有意な相関が認められなかった。4分間歩行速度と10 m歩行速度(p<0.05)ならびに10 m歩行時歩幅(p<0.01)との間に有意な正の相関があったが,4分間歩行速度と10 m歩行時歩行率との間には有意な相関がなかった。PCIと10 m歩行速度(p<0.01)ならびに10 m歩行時歩幅(p<0.05)との間に有意な負の相関があったが,PCIと10 m歩行時歩行率との間には有意な相関がなかった。[結語]歩行速度が速いほど,また歩幅が大きいほど,歩行時の効率が高かったため,CP児において歩行時の効率が高くなる条件は,歩行速度が速く歩幅が大きいことであると考えられた。
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