椎体動揺性を呈する変性腰椎すべり症における椎体動揺程度と間欠性跛行の関連性
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概要
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[目的]本研究の目的は,変性による第4腰椎の椎体動揺性(前方並進)が間欠性跛行(NIC)に及ぼす影響について検討することであった。[対象]椎体動揺性(前方並進)を呈する変性腰椎すべり症(DLS)を罹患する女性患者28例(65.9±7.9歳)であった。[方法]NICは,神経症状によってそれ以上歩行が継続できない距離(WC)を測定し,それに反映させた。動揺率は矢状面上レントゲン写真を用い,中間位,体幹後屈位,前屈位の3肢位における第5腰椎に対する第4腰椎の前方並進動揺率を測定した。また,機能評価として,指床間距離(FFD),変法ファンクショナルリーチテスト(FR)を,さらにWC測定前に30秒間の静止立位を施行した後,自覚的疼痛強度(VAS)を追加して計測した。[結果]椎体動揺率はWCと有意な関連性を認めなかった。また,FFD,FR,およびVASについても動揺率と関係性はなかったが,FR( r = .34, p<.01)とVAS(r =-.58, p<.001)についてはWCと有意な相関関係が認められた。[結論]本結果から,画像から見る椎体動揺性と症状であるWCは必ずしも関連しないことが示唆された。FRや直立位によって生ずる痛みの評価はNICを呈するDLSの病態を把握する上で有用であると考えられた。
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