高齢者に対する歩行速度グレーディング能力の評価
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概要
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[目的]歩行運動において自己の出力強度を主観的に調整し,段階付けをするグレーディング能力について,若年者と高齢者を比較することで高齢者の持つ運動制御能力を評価することを目的とする。[対象]健常若年者30名,健常高齢者30名を対象とした。[方法]最大歩行速度の20%,40%,60%,80%による主観的速度での歩行を10 m歩行路で行った。最大速度に対する各主観的速度の割合をグレーディング値とし,測定の再現性と信頼性をICC,95%CIにて確認した後,対応の正確性として,グレーディング値の各目標値に対する絶対誤差,変化の正確性として,各目標値間のグレーディング値の差,出力の一貫性として,変動係数(CV)について検討した。[結果]ICCは高い値が示され,平均値は95%CIの範囲内であった。絶対誤差は20%において高齢者の方が有意に高い値であった。各目標値間の差は40%と60%の差において若年者の方が有意に高かった。CVは両群に有意差を認めなかった。[結論]高齢者の歩行速度グレーディング能力は若年者に比べ若干低下するが著明な差はないことが示唆された。
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