右側罹患患者ではうつ状態になりやすい ‐下肢骨関節疾患患者における検討‐:─下肢骨関節疾患患者における検討─
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概要
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Ramachandranらが行った幻肢の研究のように,整形外科的疾患であっても脳機能が変化するという報告は幾つか存在する。我々は,左前頭葉機能低下との関連性が報告されている「抑うつ状態」が右側罹患患者と左側罹患患者で異なるのかを検討した。対象は下肢骨関節疾患患者136名であり,Self-rating Depression Scale(SDS)によって抑うつ状態を調査した。罹患側がSDSの得点に及ぼす影響を検討するために,SDSを従属変数に,罹患側,高血圧,高脂血症,糖尿病,疼痛,年齢などを独立変数に投入した重回帰分析を行った。結果,SDSに最も影響を及ぼしていたのは罹患側であり,右側罹患患者では左側罹患患者よりも有意にSDSの得点が高かった。右側罹患患者では,右側からの疼痛や関節運動異常などの情報が視床を介して左前頭葉機能を低下させ抑うつ状態に至ったと考えられた。このように考察すれば,他の脳機能も低下している可能性があり,今後の検討課題としていきたい。
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