積雪でも外出可能な高齢者の身体能力レベルに関する検討―TUGTを用いての検討―:-TUGTを用いての検討-
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概要
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冬期間における圧雪や凍結は高齢者を転倒にさらす脅威となる。本稿ではTimed Up and Go Test(以下,TUGT)を用いて,冬期間でも外出可能な高齢者の身体能力レベルについて検討した。85名の高齢者を冬期間でも外出が可能な群(外出自立群)と冬期間のみ外出を抑制あるいは回避する群(外出自立困難群)に分類しTUGTを実施した。その結果,外出自立困難群では外出自立群に比べ有意なTUGTの遅延が認められた(p<0.01)。また,判別特性分析を用いた検討では15.5 secを境として外出自立群と外出自立困難群を良好に判別することが可能であった(判別的中率95.3%・感度78.8%)。この結果は積雪地域に住む高齢者が冬期間でも外出可能な身体能力レベルを示すとともに評価基準として有益な情報になると考えられた。しかし,外出自立群の中にも屋内で転倒を受傷している者もいたことから,ある一定の身体能力を有しても転倒は起こりうると考えられた。
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