階段降段動作における健常者とACL損傷者との比較
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概要
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前十字靭帯損傷者における歩行時のバイオメカニクスについて,多くの研究がなされている。これらの研究によって,前十字靭帯損傷者は歩行において立脚初期に膝伸展モーメントの低下がみられると報告されている。我々は,歩行時だけでなく,階段降段動作時にも前十字靭帯損傷者の膝関節伸展モーメントが低下すると仮説をたてた。そこで,我々は三次元動作解析システムを用い,7名の健常者と3名の前十字靭帯損傷者を対象に階段降段時における下肢関節モーメントや関節角度を比較した。健常者と前十字靭帯損傷者で関節角度においてほとんど変化がみられなかった一方で,2名の前十字靭帯損傷者は,膝伸展モーメントが健常者よりも大きく発揮し,足底屈モーメントが健常者よりも低下していた。また,もう1名の前十字靭帯損傷者は,膝伸展モーメントが健常者よりも小さく発揮し,足底屈モーメントが健常者よりも大きく発揮した。これらの結果は,前十字靭帯損傷者が階段降段動作において,大きな膝伸展モーメントを発揮できることが示唆された。
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