深部静脈血栓症と臨床所見の関連性について―全人工股関節置換術後急性期における検討―:─全人工股関節置換術後急性期における検討─
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概要
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本研究の目的は,全人工股関節置換術(THA)術後急性期において,深部静脈血栓症(DVT)合併の有無による臨床所見の差異を検討することにある。症例は,当院整形外科にてTHAが施行された変形性股関節症35例であった。臨床所見として,術肢における疼痛(圧痛),浮腫,熱感,表在静脈怒張,ならびにこれらの所見を複数露呈したものを,術後理学療法再開日に評価した。DVT合併の有無は静脈造影検査にて診断され,DVT合併群(P群12例)と非合併群(N群23例)にわけられた。2群間において,統計学的に差を認めた所見は疼痛のみであったが,他の所見においてもP群の方が露呈する率が高い傾向にあった。しかし,P群の中でも肺塞栓症へ移行しやすい浮遊血栓合併例(5例)では,所見の露呈率が低かった。このことから,臨床所見のみに依存せず,静脈造影検査などにより,DVTが否定された上で,理学療法を開始する必要性が示唆された。
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