片麻ひ患者における坐位時の圧中心軌跡(COP)に対する腹部ベルト装着の影響
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概要
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片麻痺患者15例を対象に,安静な端坐位保持(以下,静的課題)と端坐位での側方リーチ(以下,動的課題)の2つの課題遂行中に圧中心軌跡(以下,COP)を測定し,腹部ベルトを装着した場合と装着しない場合とで比較検討した。結果,静的課題のX軸最大移動距離はベルト有りで0.15±0.06 cm,ベルト無しでは0.22±0.12 cmであり,ベルトを装着した方が有意に小さかった(p<0.01)。リーチ距離はベルト有りで21.2±5.1 cm,ベルト無しで19.3±5.6 cmであり,ベルトを装着した方が有意に大きかった(p<0.05)。また,ベルトを装着するとリーチ距離が長かったにもかかわらず,動的課題時のCOPでは条件間に有意差が認められなかった。片麻痺患者の安静な端坐位保持の左右への重心動揺とリーチ動作において,ベルトを装着することにより下部体幹,腰部脊柱の安定性が向上し,腹圧の上昇が良い影響を与えることが示唆された。
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