パーキンソン病患者の介護保険導入における転帰先の動向について―Functional Independence Measure(FIM)を用いた検討―:─Functional Independence Measure (FIM)を用いた検討─
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,パーキンソン病(PD)患者を対象に介護保険導入前・後における退院後の転帰先と入院・退院時の機能的自立度評価法(FIM)による変化および入院期間について比較調査し,PD患者の社会復帰に介護保険導入が及ぼす影響について検討した。対象は,介護保険導入前に兵庫県立リハビリテーション中央病院に入院したPD患者18例(男性11名,女性7名;平均年齢65.2±9.4歳)と介護保険導入後に入院したPD患者25例(男性13名,女性12名;平均年齢69.7±6.5歳)とした。介護保険導入前・後における転帰先の比較では,介護保険導入後の在宅復帰率が全体の8%減少傾向を,転院および施設入所がそれぞれ7%および1%増加傾向を示した。介護保険導入前・後において退院時FIM総得点は,入院時FIM総得点と比較していずれも有意に高値を示したが(p<0.001),介護保険導入前・後で入院時および退院時平均FIM総得点は有意差を認めなかった。しかし平均入院期間は有意に延長していた(p<0.05)。これらの結果は,PD患者の社会復帰に介護保険導入が及ぼす影響と考えられた。今後,PD患者の在宅および社会復帰を進めていく中で,介護保険制度の利用状況やその活用法について詳細な検討が望まれる。
- 理学療法科学学会の論文
理学療法科学学会 | 論文
- 立位での一側下肢挙上動作における足底圧中心軌跡と下肢筋筋活動の立ち上がり潜時ついて : テーピングによる横足根関節可動域制限の有無における検討
- 静的姿勢保持に共通する足圧中心動揺パラメーターについて
- 静的姿勢保持における足圧中心動揺パラメーターの相互関係
- 制御工学的手法を用いた動的な立位姿勢バランスの評価指標に関する検討--身体前傾・復位動作特性と力学的パラメータの関連性について
- 本邦における Alberta Infant Motor Scale の Percentile ranks の調査