対麻ひ患者における荷重制御式歩行器を使用した歩行時の運動強度
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概要
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脊髄損傷による完全対麻痺者男性2名(A; C7, 26歳 · B; Th12, 55歳)を対象として,荷重制御式歩行器(Weight Bearing Control Walker :WBC)を使用した歩行時および車椅子を用いたロードワーク中の酸素摂取量(VO<SUB>2</SUB>)および心拍数(HR)を測定し,運動強度の比較を行いWBCの有用性を検討した。腕漕ぎによる亜最大運動負荷時のPeak VO<SUB>2</SUB>は,症例A; 32.7 ml/kg/min · 症例B; 25.7 ml/kg/min :WBC歩行訓練および車椅子ロードワーク中のPeak VO<SUB>2</SUB>は, 症例A; 12.4 ml/kg/min · 22.5 ml/kg/min, 症例B; 12.4 ml/kg/min · 24.8 ml/kg/min ;Peak HRは, 症例A; 155 bpm · 160 bpm, 症例B; 134 bpm · 174 bpm ;RPE(rating of perceived exertion)は, 症例A; 5(きつい · 両腕の筋疲労) · 5(きつい), 症例B; 5(きつい · 両腕の筋疲労) · 6(きつい); 持続時間は, 症例A; 23分間 · 症例B; 24分間であった。% Peak VO<SUB>2</SUB>は, 症例A; 37.9 % Peak VO<SUB>2</SUB> · 68.8 % Peak VO<SUB>2</SUB>, 症例B; 48.2 % Peak VO<SUB>2</SUB> · 96.5 % Peak VO<SUB>2</SUB>であった。以上の結果から,WBCは,腕への負担が大きく,障害のレベルが結果に反映されたものと示唆される。また,車椅子ロードワークは,対麻痺者にとって,個人の体力を維持向上させるよい方法のひとつであることが明らかになった。
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