個人用露頭(野帳)データベースの設計について (3)―層序の表現方法の改善について―:層序の表現方法の改善について
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概要
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層序式は2つの地層の接触関係を(下位の地層単元)(関係単元)(上位の地層単元)の形で表現するものであるが,この式では1つの地層が複数の地層に接触する場合は表現できない.また,層序グラフは露頭の構造を図で表現するものであるが,このままではデータベースに使用できない.このため,行列を使用して数式で表現する必要がある.これらの問題を解決するために,著者は層序式に新しい記号である( ),{ },,の導入と構造行列の導入を提案した.新しい記号( )及び{ },, は次のように定義される. (L1##1L2##2・・・##n-2Ln-1)##n-1Ln⇔ L1##n-1Ln,L2##n-1Ln,・・・,Ln-1##n-1Ln, L1##1L2##2・・・##n-2Ln-1 L1##1 (L2##2L3・・・Ln-1##n-1Lm)⇔ L1##1L2,L1##1L3,・・・,L1##1Ln, L2##2L3・・・Ln-1##n-1Ln {(L1##1L2##2L3…##n-3Ln-2)##n-2Ln-1}##n-1Ln ⇔{L1##1L2##2L3…##n-3Ln-2,L1##n-2Ln-1,L2##n-2Ln-1,…,Ln-3##n-2Ln-1}##n-1Ln ⇔(L1##1L2##2L3…##n-3Ln-2) ##n-1Ln,(L1##n-2Ln-1) ##n-1Ln,(L2##n-2Ln-1) ##n-1Ln,…,(Ln##n-2Ln-1) ##n-1Ln L1##1 [L2##2L3・・・##n-2Ln-1 ] ##n-1Ln ⇔L1##1L2##2L3・・・##n-2Ln-1, L2##n-1Ln,L3##n-1Ln,・・・,Lm-1##n-1Ln ⇔L1##1L2##2L3・・・##n-2Ln-1##n-1Ln, L2##n-1Ln,L3##n-1Ln,・・・,Ln-2##n-2Ln L1##1(L2##2L3・・・##n-2Ln-1 ##n-1Ln ⇔L2##2L3・・・##n-2Ln-1##n-1Ln, L1##1L2,L1##1L3,・・・,L1##1Ln-1 ⇔L1##1L2##2L3・・・##n-2Ln-1##n-1Ln, L1##1L3,・・・,L1##1Ln-1 L1 ,・・・,Lp は地層であり,##iは関係単元である.層序式に( )及び[),(] を使用すると,1つの地層に複数の地層が接触する場合の層序を明確に記述できる. 構造行列A=[aij]は層序グラフを式化したものである.下位の地層Liと上位の地層Ljが直接接している場合aijの元はLiとLjの接触関係の記号であり,他の場合は0である.露頭構造行列とA[aij] と B[bij]から,C[cij]=A[aij]※B[bij] の演算を行い地域構造行列C[aij]を組み立てることができる.著者はこのアルゴリズムを提案した.
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