分子シミュレーションによるラクトースリプレッサーとLigand及びDNA間の結合特性の解析
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概要
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転写制御タンパク質であるラクトースリプレッサー(LacR)は、Ligand依存型タンパク質であり、結合するLigandの種類に依存してDNAの転写を抑制あるいは促進する。本研究では、Ligandの結合によりLacRの構造と電子状態がどのように変化するかを、古典分子力学計算、及び半経験的分子軌道計算により解析し、Ligand結合によりLacRとDNAの結合が変化する原因の解明を試みた。具体的には、LacR単体の構造、インデューサであるIPTGが結合したLacR-IPTG複合体構造、アンチインデューサであるONPFが結合したLacR-ONPF複合体構造を、古典分子力場AMBERを用いて水中で最適化し、最適化した構造の電子状態を半経験的分子軌道計算により解析した。その結果、LacRとLigandの結合にはLigand周辺の結晶水が重要な働きをしていることが明らかになった。また、LigandがLacRに結合することにより、LacRのDNA結合部位の構造が変化し、LacRとDNA間の結合エネルギーが変化することも明らかになった。
- 公益社団法人 日本化学会・情報化学部会の論文
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会 | 論文
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