研究 室間心室gradientの恒常性の臨床的検討 間歇性WPW症候群を用いて
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概要
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安静時間歇性WPW型心電図を示した12例を対象として,Wilsonらのいう心室gradient(G)の恒常性(心室内興奮伝播過程に非依存)の成否を検討した.各症例でWPW型,正常型とも比較的多心拍のFrgnk法空間心室gradient(SG)を小型電子計算機により求め,両SG平均ベクトルの差の検定を行なった.非定型的WPW型心電図を示した1例を除き全例に有意差が存在した,しかし各症例において両SGは大きさ,方向とも近似し,臨床上SGの恒常性は成立するとして大きな誤謬はないと考えられた.正常型心拍よりWPW型心拍への推移に伴うAQRS変化とG変化の間には,XおよびZ誘導で負の相関が存在した.したがって両誘導では,AQRSの変化と逆方向への軽度のG変化の存在が示竣された,この理由について若干の考察を試みた.またG計測上の2,3の問題点にも言及した.
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