第14回心臓性急死研究会 心室細動発作の増悪に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の関与が疑われたブルガダ症候群の1症例
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概要
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【症例】22歳男性.【家族歴】祖父が36歳で突然死.【現病歴】2000年8月18日心肺停止から近医で蘇生された.ブルガダ症候群の診断で10月6日当院に転院,10月10日埋め込み型除細動器(ICD)移植術を実施した.その後外来で心室細動(Vf)の再発なく経過したが,2001年4月29日から週1回程度Vfに対してICDが作動した.6月11日,6月14日は1日に3回Vfが出現した.6月19日作動に対する不安感から抑うつ状態となったため,6月19日精神科から選択的セロトニン再取り込み阻害薬であるパロキセチン10mgの投与を受け.7月3日より20mgに増量された.7月11日,7月12日,7月14日は2回,7月15日は5回,7月16日は9回,7月17日は12回のVfを認め,心電図上STは増高した.パロキセチンによる発作の増悪を疑い7月17日より休薬したところ,7月18日は8回,7月19日は3回,7月20日は1回とVfは減少し,STも以前のレベルに復帰した.心電図上のST上昇の悪化および心室細動発作の増悪は時間的な関係よりパロキセチン投与によるものと考えられた.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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