第11回臨床不整脈研究会 慢性心房細動症例に対するradial approach術後の心房内伝導様式:バスケットカテーテルによる検討
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概要
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症例は57歳,男性.僧房弁閉鎖不全症,慢性心房細動に対して人工弁置換術およびradialapproach(洞結節を中心にして放射状に房室弁輪部まで心房を切開縫合する術式)を施行された.術後は洞調律が持続していた.Radialapproach術後24日目に臨床電気生理検査を行った.洞調律時および右心耳,下位右房,心房中隔前下方,右房後壁下方への電気刺激時に右房内のバスケットカテーテルで電位記録を行い心房内興奮伝導様式を検討した.Radial approachの切開線に沿った伝導ブロックの存在を示唆する所見として1)右房自由壁での伝導方向の反転,2)下大静脈と三尖弁の峡部への伝導遅延,3)右房後壁上部と下部の間のブロックと伝導方向の反転が認められた。右房の各部位で測定した不応期は210から250msで延長は認めなかった.心房早期刺激に対する心房筋の受攻性は低かった.洞機能回復時間は2.45秒と延長していた.<BR>以上の結果よりradial approach術後の洞調律維持の機序として興奮領域の狭小化が最も重要と考えられた.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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