第7回体表心臓微小電位研究会 心筋梗塞患者における体表面高周波電位分布図(HFP map)と体表面recovery time mapの検討
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概要
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発症から1カ月以上経過した心筋梗塞例(n=25)を対象に,QRS波の25~50Hzの周波数帯域の体表面分布を表わすhigh frequency potential power(HFP)mapと心筋再分極過程の指標である体表面recovery time (RT) mapを記録し,ホルター心電図で検出された致死性不整脈との関連性を検討した.HFP mapは分布様式によりほぼ等しい2個の極大を有するA型(n=7),一方が擾位な極大を有するB型(n=6),極大が1個のみのC型(n=12)の三者に大別された.HFP mapがAあるいはB型を示す13例中5例に致死性不整脈を認めた.C型を示す12例ではいずれも致死性不整脈を認めなかった.致死性不整脈との関係が深いA,B型とそうではないC型の二群に分類し,両群でRT dispersionを求めるとA,B型の平均±標準偏差は0.168±0.019,C型は0.149±0.016で両群間に有意差を認めた(p<0.02).HFP mapとRT mapの間には関連性が認められ,両mapのパターンには致死性不整脈の発生基盤が反映されている可能性が示された.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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