研究 心表面電位による梗塞部心筋および虚血境界域における心筋viabilityの検討
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概要
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心筋梗塞領域への冠血行再建の適応については残存心筋の有無の判定が重要である.従来肉眼的検索によっていた術中の心筋梗塞範囲の決定,心筋梗塞の性状の診断を心表面マッピング法を用いて行った.さらに左室局所心筋壁収縮率(以下%RS)と心表面電位(以下EP)を比較し検討した.梗塞心筋は単極誘導でQS波を呈したが,その周囲にはnotchingを伴ったQS波やr波の残存した領域が分布し,ST上昇帯を経て正常心筋へ移行した.すなわち心表面マッピング法では電位振幅および波形より,心筋各所のviabilityを知ることが可能であった.また%RSとEPは有意な正の相関を示した(r=0.579,p<0.001).すなわち収縮率が低く壁運動の不良な領域は心表面電位も小さいが,収縮率が高く壁運動の良く保たれた領域は高い心表面電位を有し,左室造影上viableと診断された領域は電気生理学的にもviabilityの存在を裏付けることができた.
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