研究 心房における心周期と 受攻性:アセチルコリン静注モデルでの検討
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概要
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麻酔・開胸犬に少量Achを持続静注し,迷走神経緊張状態を作製した.このモデルを用いて心房での心周期変化に伴う受攻性の推移を検討し,以下の結果を得た.1)基本周期(BCL)を500msから400ms(n=5),あるいは330ms(n=8)へ各短縮させると,受攻期内域は不応期側へ拡大し,外域は不変であった.そのため受攻期持続は有意に増大した.一方BCLを500msから667msへ延長(n=5)させても,受攻期の有意な推移は認められなかった.2)BCLを500msから330msへ変化させると,細動閾値は有意に低下した(n=6).3)心周期を1拍だけ突然変化させた場合,受攻期の持続は心周期変化がBCLの25%内外である限り,短縮のみならず延長の場合にもBCLでのそれに比し有意に増大した(n=8).ただし細動閾値は心周期の突然短縮でより低下したい=7).以上から迷走神経緊張が関与する病態下では,心房の受攻性は心周期の短縮(頻拍)ないし不整時に,より増強されると結論された.
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