当科における脊髄上衣腫の治療経験―9例の手術症例の検討―:―9例の手術症例の検討―
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概要
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【目的】脊髄上衣腫9例の術後成績について検討した.【対象】9症例(男性5例,女性4例,手術時年齢平均43.2歳)を調査対象とした.頚髄が2例,胸髄が1例,馬尾が6例であった.症状の出現から手術までの期間は平均1年6ヵ月であった.術後の放射線治療を7例におこなった.経過観察期間は平均4年3ヵ月であった.【結果】術後,馬尾腫瘍の6例中4例で良好な腰痛及び神経症状の改善を認めた.馬尾腫瘍のうち脊髄円錐発生の2例では膀胱直腸障害が残存した.胸髄腫瘍例では麻痺の改善は得られなかったが,頚髄腫瘍は2例とも症状の改善が得られた.組織学的な分類では,myxopapillary ependymomaが5例(全例馬尾)であった.再発を2例(頚髄1例,馬尾1例)に認めた.【結語】脊髄上衣腫9例について検討したところ,2例に再発を認めた.組織型はmyxopapillary ependymomaが多かった.胸髄,脊髄円錐の腫瘍では症状の改善が不良であった.
- 中部日本整形外科災害外科学会の論文
中部日本整形外科災害外科学会 | 論文
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