風化花崗岩類山地の崩壊裸地斜面における土砂の生産及び移動機構に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
砂防計画においては, 確率的に生起する豪雨時の斜面崩壊による生産土砂量を如何に正確に推測するかが重要であるが, 崩壊後に形成された裸地斜面における恒常的な土砂生産についても重要視されねばならない。土砂生産の一つの原点ともいうべき山地崩壊裸地斜面における土砂の生産・移動機構を明らかにすることは, 崩壊地からの土砂流出の抑制ひいては崩壊地の緑化対策を講じる上で重要な調査研究課題となる。本研究では, 木津川上流水源地帯の一崩壊斜面を研究対象地に選定し, 1980年12月以来, 崩壊面の土砂変動に関して精密観測を実施してきた。観測開始以来10年間にわたる観測データを解析したところ, 崩壊面変動量の年間推移には周期性が認められ, その変動傾向はフーリエ級数により定量的に表現できること, 崩壊面の侵食期は降雨強度に関係する第1侵食期と関係しない第2侵食期に分けられること, 崩壊面における土砂生産は冬季の凍結融解現象の発生頻度と0℃以下の最低気温の大きさに関係すること, 年平均侵食速度は0. 87cm/年であることなどが明らかとなった。
- 社団法人 砂防学会の論文
社団法人 砂防学会 | 論文
- 鋼製枠ダムの性能評価と展望
- 天然ダムの決壊過程と決壊時の流出量に関する実験的研究
- マサ土における単位体積重量と粒度組成を用いたせん断強度定数及び透水係数の推定の試み
- 簡易貫入試験値と粒度組成を用いたマサ土の単位体積重量とせん断強度定数及び透水係数の推定
- 地温分布測定による浅層水みち経路の推定