傾斜樹林地に冬季間放牧した北海道和種馬の牧区内位置
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概要
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傾斜樹林地に冬季間放牧した北海道和種馬の牧区内位置について明確にするために,10-12月の各月1回,草量の豊富な時期に24時間連続の行動観察を行った。観察個体の行動形を摂食,立位休息,横臥位休息,移動,その他の5つに1分間隔で分類記録し,牧区内位置およびその間の移動ルートを15分間隔で地形図上に記録した。地形図上の移動ルートから観察個体の移動距離を算出し,同じく地形図上の牧区内位置の最外周を結んだ面積を観察個体の1日の活動域として算出した。樹林地は広葉樹林であり,その下草は主にミヤザサ(Sasa nipponica)であった。観察牧区外には牧場内道路や一般道路が隣接していた。また観察牧区内には馬群の日常管理用の作業道が存在した。得られた結果は以下の通りである。1)和種馬は移動時に牧区内作業道を高頻度で利用し,全移動距離に対する作業道上移動距離の割合は約50%であった。2)和種馬は牧区内の作業道または牧区外に隣接する一般道路周辺部に頻繁に位置し,その頻度は作業道または一般道から離れるほど低下した。3)和種馬の1日の活動域面積は牧区面積に関係なく作業道の長い牧区ほど大きい傾向にあったが,統計的に有意なものではなかった。
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