ウマ胎膜中の妊娠関連蛋白の分離とその一部性状について
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概要
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ウマ尿膜羊膜抽出液をウサギに免疫して抗血清を作製し,若雄馬肝臓抽出液を用いて吸収操作を行った。ゲル内反応において,吸収抗血清と尿膜羊膜抽出液との間に4本の沈降線を認めた。寒天免疫電気泳動の結果,4本の沈降線はプレァルブミン位に位置していた。アガロース免疫電気泳動により生じた沈降線で,各々の抗原を陰極側より,抗原A,B,CおよびDと呼ぶことにした。 吸収抗血清を用いて,羊水中に共通抗原を検出したが,妊娠(120-270日)ウマ血清では共通抗原が検出されなかった。免疫電気泳動により,吸収抗血清と尿膜羊膜抽出液間に生じた抗原抗体複合物を切り出し,これを抗原として,ウサギを免疫し,A,B,C,Dの各抗原に対する特異抗血清を作製した。これらの抗血清を用い,ゲルろ過,イオン交換クロマトグラフィー,等電点電気泳動,アフィニティークロマトグラフィーなどにより,各抗原の分離を試み,抗原の一部性状を明らかにした。抗原Aの分子量は約50,000を示し,抗原BおよびCは約21,500であった。また,等電点については抗原Aが3.8-4.0,抗原Bは3.7-4.0,抗原Cは3.4-3.6と酸性側に位置していた。
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