ウマ精子の活力に及ぼす希釈液,精漿,ならびに保存温度の影響
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概要
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農林水産省家畜改良センター十勝牧場で繋殖中の種雄馬3頭を用い,人工膣横取法で1頭当たり5回採取した射出精液を供試した。精子活力(前進運動性を示す精子の割合)に影響を及ぼす要因として,(1)希釈液:脱脂乳および卵黄,(2)精漿濃度:遠沈により濃度を25%および5%に調節,(3)保存温度:+20℃ および+5%,(4)保存時間:0,24,48および72時間,を検討した。 +20℃で保存した場合,精子活力は希釈液の組成や精漿濃度に関係なく24時間後には15-33%の範囲にあり,48時間,72時間後では20%以下であった。一方,+5℃で保存した場合,精漿濃度5%は25%と比較して,保存後の精子活力が良好であり,24時間後の活力は卵黄希釈液で50%,72時間保存では脱脂乳希釈液および卵黄希釈液とも11.20%以上であった。 以上,精漿濃度を低くし,卵黄希釈液を用いて,+5℃ で保存すると,72時間後までのウマ精子の活力をより良く維持できることが明らかになった。
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