サラブレッド種における年間収得賞金額の遺伝率
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概要
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サラブレッド種の中央競馬における各馬の年間収得賞金額記録が種雄馬別に記載されている競馬年鑑を用い,この年間収得賞金額の遺伝率について,SASを使って推定した。供試記録は,1982年度から1987年度の6年間に3歳馬で30頭,4歳馬で50頭,5歳馬では20頭以上の後代記録を持つ種雄馬それぞれ72,84,82頭とその後代総数3,675,7,999,3,454頭を取り上げた。分析モデルは,出走年度と性を母数効果とし,父ウマと残差を変量効果と仮定し,遺伝率は半きょうだい相関法により求めた。 年間収得賞金額の分布は正規分布からかけ離れているので,平方根,4乗根と自然対数の3種変換を試みたところ,平方根変換値の遺伝率が最も高い傾向にあった。出走年齢別の遺伝率を見ると,3歳馬が一番高く,次いで4歳馬,5歳馬では0.08以下の低い値であった。出走回数を考慮した出走当たり平均収得賞金額の遺伝率は,3歳馬において年間収得賞金額の値よりも高くなり,この時の平方根変換値の遺伝率は,分散成分をSASのTYPE1法で求めると0.25,制限付き最尤法で0.23となり,今回推定した各遺伝率のなかでは最も高い値を示した。
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