アガロース膜電気泳動法による牛のクレアチンキナーゼアイソザイム およびアイソフォーム
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概要
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ヒト用に市販されているクレアチンキナーゼ(CK)アイソザイム分析キット(アガロース膜電気泳動・酵素染色法)を用い,牛のCKアイソザイム分画とMM分画アイソフォームを検索した.健常牛として哺乳牛,育成牛初期,育成牛後期,成牛の計34頭を,疾病牛として白筋症牛6頭を材料に用いた.健常牛の総CK活性値は85.6 ± 28.6 IU/ℓ(平均値±標準偏差)で発育ステージによる差は認められなかった.その一方で,CKアイソザイム分画は加齢に伴った変化がみられ,哺乳牛では脳神経型(BB),骨格筋型(MM),ミトコンドリアCK(mCK)の3分画に,育成牛ではそれらに加えMMとmCKとの間に出現したOther-1分画の4分画に,成牛ではBB分画が消失してMM,Other-1,mCKの3分画に分離された.牛ではハイブリッド型または心筋型(MB)分画は認められなかった.MM分画アイソフォームは,MM1,MM2,MM3の3分画に分離され,発育に伴いMM1の割合が増え,MM2およびMM3の割合が減少する傾向にあった.白筋症牛では,総CK活性値の著増を示したが,それはMM分画の増加に起因していた.6頭中2頭ではBBとMMの間にOther-2分画が出現し,健常牛とは異なるアイソザイムパターンが認められた.またMM分画アイソフォームは,MM1の割合が減少し,MM2の割合が上昇していた.以上から,牛におけるCKアイソザイムおよびアイソフォーム分析は,年(月)齢の違いに注意を要するものの,病態把握に活用できると期待される.今後は,他の家畜では報告のないアイソザイム分画の検証等を含めた,分析の有用性の検討が必要である.
- Japanese Society of Large Animal Clinics / Large Animal Clinic Research Associationの論文
Japanese Society of Large Animal Clinics / Large Animal Clinic Research Association | 論文
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