南中国江西省定南県のイオン吸着型希土類鉱の多段階抽出実験から得られた地球化学的特徴
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概要
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中国江西省定南県から採取したイオン吸着鉱5 試料と風化花崗岩3 試料について、6 段階抽出実験及び1 段階抽出実験を行った結果を本稿にて報告する.6 段階抽出実験はイオン交換、有機物、非晶質Fe 酸化物・Mn 酸化物、Fe-Mn 酸化物、粘土・硫化物、珪酸塩のフラクションから構成される.イオン吸着型REE 鉱床から採取したイオン吸着鉱5 試料を酢酸ナトリウム水溶液でイオン交換した結果、抽出された元素濃度はREY(REE+Y)で174 – 388 ppm (全岩含有量の43 – 68 %に相当)、Thで1.1 – 3.5 ppm (3.7 – 9.4 %)、 Uで0.44 – 1.0 ppm (14 – 25 %)であった.同様にイオン吸着鉱を硫酸アンモニウム水溶液でイオン交換した結果、元素濃度はREYで170 – 346 ppm REY (全岩含有量の42 – 64 %に相当)、Thで0.03 – 0.31 ppm (0.1 – 0.8 %)、Uで0.25 – 0.71 ppm (8 – 18 %)であった.イオン交換フラクションはCeが他のREYに比べ著しく枯渇しており、またHREEとYは全岩組成に比べて若干枯渇していた.Thは有機物フラクションに主に存在し、粘土・硫化物フラクション及び残渣にも含まれる.Uは残渣、珪酸塩、イオン交換、粘土・硫化物、有機物フラクションに幅広く存在する.鉱床外から採取した風化花崗岩3 試料の結果も鉱石の結果と大きく変わらなかったが、REY 含有量またはイオン交換性REYの割合が鉱石よりも若干低かった.
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