有棘細胞癌およびボーエン病の全国調査
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概要
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本邦における有棘細胞癌およびボーエン病の現状を把握するため,全国調査を行った。全国約180の主要施設に対して,調査用紙を送付し回収した。2008年1月から12月までの1年間に各施設を受診した新規症例を対象とし,有棘細胞癌1050例,ボーエン病741例の有効回答を得た。有棘細胞癌の年齢分布は29歳から106歳で平均が77.8歳となった。発生部位は頭頸部536例(51.0%),体幹101例(9.6%),上肢92例(8.7%),下肢178例(16.9%)であり,頭頸部の発生が多い。熱傷瘢痕が発生母地の場合は病期IVの割合が多い傾向があった。ボーエン病の年齢分布は32歳から102歳で平均が75.2歳となった。単発例が678例,多発例が59例であった。発生部位は下腿が最も多く154例(20.7%)で,大腿が74例(9.9%),背部が67例(9.0%)の順となった。有棘細胞癌の所属リンパ節転移のリスク因子解析では,頭頸部を基準とした場合,外陰部・体幹・下肢が高リスクとなった。
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日本皮膚悪性腫瘍学会 | 論文
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