製品ブランド管理の進展がグローバル・マーケティング枠組みに与える示唆
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概要
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本稿では,近年の多国籍企業における製品ブランド管理の進展がグローバル・マーケティングの分析枠組みに対してもたらす示唆について考察する。製品ブランドは,ローカル・ブランド(ある 1ヵ国のみで市場導入される製品ブランド)、リージョナル・ブランド(ある地理的地域において市場導入される製品ブランド),そしてグローバル・ブランド(主要先進諸国を中心として世界的に市場導入され,海外売上高比率が高く,さまざまな利害関係者によって肯定的に評価された製品ブランド)に類型化される。多くの製品ブランドを所有する多国籍企業において,グローバル・ブランドはローカル・ブランドやリージョナル・ブランドよりも数が圧倒的に少ないものの,売上高に対する貢献において非常に重要な位置づけにある。 ただし,より重要なのは各類型における製品ブランド数の多寡よりも,当該企業全体の戦略に沿ったそれらの一貫性やバランスである。この視座に基づくと,既存のグローバル・マーケティング枠組みは多国籍企業における製品ブランドの「重層性」を十分に考慮しているとはいえない。また,当該研究では主に「世界標準化/現地適合化/複合化」という分析軸が提示されてきたが,それは「ある 1つの製品」あるいは「ある多国籍企業が有するすべての製品」を分析単位としてア・プリオリに規定している。本稿では,各製品ブランド類型における標準化と適合化とのバランスや当該類型間における重層的なバランスについて論じる。
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