土壌pH調整用粉末硫黄を利用した畜舎排水の脱窒処理実証試験
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概要
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土壌pH調整用資材である粉末硫黄を利用した硫黄脱窒法について,養豚農家で簡易構造の脱窒リアクターを用いて実証試験を行い,リアクターの性能評価を行った.リアクターは水容積約23Lで水深15cmとし,底面全体に親水化処理した粉末硫黄を乾燥重量で5kg(見かけ容積約5L, 層厚3.3cm)充填して,原水を一端から他端へ自然流下で流出させた.原水として養豚汚水の活性汚泥法処理水をNO<SUB>x</SUB>-N負荷量約0.6kg-N/m<SUP>3</SUP>・日で流入させたところ,脱窒率は21日目で約52%に達し,水質汚濁防止法の規制項目である硝酸性窒素の一律排水基準100mg/Lまで低下した.脱窒に伴い硫酸態硫黄の生成も生じた.アンモニアの硝化は見られなかったことから,リアクター液中に溶存酸素は存在しなかったと考えられ,この硫黄酸化は脱窒に由来することが示唆された.以上の結果,本リアクターは畜産現場での簡易脱窒処理へ利用可能と推定された.
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Japanese Society of Animal Science | 論文
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