ロジスティック回帰分析による黒毛和種枝肉における瑕疵発生に及ぼす環境および遺伝的要因の解析
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概要
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牛枝肉における瑕疵発生要因の基礎的知見を得るため,黒毛和種の枝肉格付記録(宮崎県内2002年~2008年,<I>n</I>=70,171)を用い,シミ,カツジョ,ズル,シコリ,アタリに及ぼす性,格付年度,格付月,屠前体重区分,肥育農家,父牛の影響をロジスティック回帰分析により調査した.その結果,シミとカツジョはズル,シコリ,アタリと比べ発生頻度が低く,ズルは格付年度をおって低下傾向にあった.シミでは去勢が雌の6.27倍の発生リスクがあった(<I>P</I><0.001).シコリとアタリの発生には父牛の影響がみられた(<I>P</I><0.001)一方で,シミ,カツジョ,ズルは父牛が影響を及ぼしていない可能性が示唆された.シコリは,屠前体重の軽い個体に発生しやすく,発生頻度は農家によって大きく異なった.以上から,特にシコリは遺伝的要因に起因する個体ごとの感受性の差異に,飼養管理を含む環境要因が作用して発生する可能性が示唆された.
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