ナノコンポジット型ヒドロゲルの力学物性とそれに及ぼすクレイ変性の効果
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概要
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従来の有機架橋ヒドロゲルに比べ, 特異的に優れた力学物性や機能性を示す有機/無機ナノコンポジット型ヒドロゲル (NCゲル) を, アクリルアミド誘導体の<I>in</I>-<I>situ</I>重合により合成し, 特に無機成分である粘土鉱物 (クレイ) の種類, 性状が, ゲルの力学物性にどのような影響を及ぼすかを検討した。その結果, 同種のクレイ (合成ヘクトライト) より得られたNCゲルは, 再現良く優れた力学物性を示すこと, また, 同じポリマー組成の有機架橋ゲルと比較して, 非常に高い強度および破壊エネルギーを有することを確認した。また, フッ素変性クレイや無機分散剤 (ピロリン酸ナトリウム) を変性クレイを用いることにより, ゲルの応力-歪み曲線が大きく変化し (弾性率, 強度が低下し, 破断伸びが増加する), 物性を制御できることが明らかとなった。一方, 非膨潤性のセピオライトを用いた場合は, 絡み合いによる線状高分子ゲルと殆ど変わらない低い応力-歪み曲線および大きなタック性を示し, 水膨潤性が不十分な天然産モンモリロナイトを用いたゲルはそれらの中間の挙動を示した。かかるクレイ変性や無機成分種による力学物性の変化を, NCゲルの有機/無機ネットワークにおける有効架橋密度の変化により考察した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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