ポリシロキサンネットワーク:構造的特性と形成機構
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概要
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2官能モノマー (VT-M) は架橋剤4官能モノマー (F4-C) の存在下でヒドロシリル化反応によりポリシロキサンネットワークを形成する。その反応過程を時分割小角X線散乱により実時間観察し, ネットワークの構造と形成の樹髄Flory-Stockmayerの古典的なモデルを基礎として構築した樹木モデルで解析した。<BR>モデル解析結果からポリシロキサンネットワークは次のようなプロセスで形成されると考えられる。まずヒドロシリル化反応は均質に進む。分岐構造を有するクラスターが多数形成され, 反応時間と共に重量平均サイズは増加し, サイズ分布は広くなる。この段階では, まず核となる密に分岐したクラスターが形成される。その後は密に分岐せずに星型に成長する。その星型クラスターがカップリングしてネットワークを形成する。ゲル化によりゾル部分のクラスターが少なくなると, ネットワーク内で未反応の官能基が反応して環が形成され, ゲルは収縮する。マクロ的には反応後期にシネリシスが起きるのに対応している。クラスター内の分岐密度は更に密になり, 結果としてクラスターサイズの減少となる。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文