シリカ充填エポキシ樹脂の誘電計測による硬化解析
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概要
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シリカ充填した酸無水物硬化エポキシ樹脂の硬化過程における挙動をミクロ誘電計測により解析し, シリカ粒子が充填された時の硬化反応に与える影響を検討した。電気絶縁材料としてのエポキシ注型樹脂は熱膨張係数や機械的残留応力を小さくするために, 一般的にはシリカ粒子が高充填されている。この高充填されたシリカ粒子の効果を非充填系との比較で検討した。ミクロ誘電計測で等温硬化による等価抵抗率の変化を測定し, 樹脂物性値であるガラス転移温度をDSCで求めた。その結果, シリカ充填により非充填系に比べ, 硬化反応速度が遅くなり, 所定のガラス転移温度に達する時間も遅くなることが計測された。シリカ充填エポキシ樹脂でも, 等価抵抗率ρは硬化温度Tcとガラス転移温度Tgとの差 (Tc-Tg) との間の関係式 ρ=ρ<SUB>0</SUB>exp [A/ {fg+α(Tc-Tg)}] が成り立つことが分かった。シリカ充填の場合は自由体積の熱膨張係数αが低下し, 定数としてのαは実験値にフィテングすることで得られた。熱膨張係数への影響については自由体積理論により検討し, シリカ充填の効果は見掛け上, 充填系樹脂の自由体積の熱膨張係数を減少させることになることを見いだした。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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清水 敏夫
(株) 東芝電力・産業システム技術開発センター
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後藤 一敏
(株) 東芝電力・産業システム技術開発センター
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槙島 聡
(株) 東芝電力・産業システム技術開発センター
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中野 俊之
(株) 東芝浜川崎工場
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清水 敏夫
(株) 東芝
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槙島 聡
(株) 東芝重電技術研究所
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後藤 一敏
(株) 東芝
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中野 俊之
(株) 東芝
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