新規アルギン酸定量法の開発
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概要
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定量法の統一が未完成で,かつ,10年以上見直しされてない食品中でのアルギン酸定量法を再検討した.本報で開発した定量法は,食物繊維画分を抽出し,そこにマグネシウム塩を添加してアルギン酸を回収した.この方法により,加工食品や海藻に含まれるアルギン酸を定量することが可能であった.その際,マトリクスとして存在するフコイダンなど粘性を持つ多糖類の影響を除去した事を確認した.カルバゾール硫酸法による検量線の直線性はr=0.9999,定量値の平均が26.6g/100gである昆布を用い,繰り返し7回測定した時の中間精度(相対標準偏差)は2.1%であった.定量下限は0.1g/100gであり,真度は添加回収率として67.3~99.2%の範囲であった.ただし,今回調査しなかった増粘剤等の影響調査と,低分子化されたアルギン酸の回収率向上が課題として残った.
- 社団法人 日本食品科学工学会の論文
著者
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小泉 慶子
一般財団法人日本食品分析センター多摩研究所
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宇田川 知子
一般財団法人日本食品分析センター多摩研究所
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小関 友紀子
一般財団法人日本食品分析センター多摩研究所
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五十嵐 友二
一般財団法人日本食品分析センター多摩研究所
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渕上 賢一
一般財団法人日本食品分析センター多摩研究所