水稲育苗ハウスサイド開閉ルールのデータマイニング

概要

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本研究では，育苗ハウスにおける主要な管理作業であるハウスサイドの開閉作業の時刻と開閉量を，ICタグ（RFID）を用いて記録し，データマイニングの手法を用いてサイド開閉ルールの抽出を試みた．サイドの開閉量を目的変数，ハウス内外気象と苗の生育日数を説明変数として決定木分析を行い，生成された決定木から確信度（ルールの条件に一致する事例が結果も一致する割合）とサポート（ルールの結果が一致する事例が全事例に占める割合）が高いルールを抽出した．サイド開閉量を3段階にまとめると確信度，サポートともに高く感覚的に合うルールを抽出できた．交差検定の結果，75％の正解率であった．また，事例を朝，昼，晩に分けて決定木を生成しルールを抽出すると，それぞれの時間帯で異なるルールが抽出された．いずれも高い確信度，サポートを持ち，交差検定による正解率は80％以上であった．一方，重回帰分析により補正決定係数0.7，推測RMS誤差20％と，感覚的に合う妥当な回帰式を生成できた．さらに，朝昼晩に分けて重回帰分析を行うと朝昼についてはより精度の良い回帰式が得られた．作業者の主観的ルールと分析結果を比較すると，主観ルールに一致するルールが多数得られ，決定木分析，重回帰分析のいずれもある程度作業者の論理を定式化できることが示された．
農業情報学会の論文

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