P2-05 多発性筋炎・皮膚筋炎の自己抗体と生命予後および間質性肺炎の関連
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】筋炎特異的自己抗体(MSA)により分類したPM/DMの長期予後および合併する間質性肺炎を解析した.【方法】PM/DM183例を対象に抗ARS抗体,抗SRP抗体をRNA免疫沈降法,抗MDA5抗体,抗TIF-1γ/α抗体および抗Mi-2抗体を蛋白免疫沈降法により検出し,Kaplan-Meier法を用いた生存率評価を,またIP合併PM/DMのMSAとの関連をそれぞれ検討した.【成績】PM/DM183例中,抗ARS抗体40%,抗MDA5抗体22%,抗SRP抗体10%,抗TIF1-γ/α抗体8%,および抗Mi-2抗体4%を認めた.5年生存率は抗Mi-2抗体100%,抗SRP抗体94%およびMSA陰性例92%である一方抗MDA5抗体および抗TIF1-γ/α抗体は予後不良(58.5%,65.5%)であった.抗ARS抗体陽性例の5年生存率は78.6%であったが,15年生存率では顕著に低下した(57.6%).抗Mi-2抗体陽性例およびMSA陰性例はステロイド単独で治療反応性良好であった.IP合併率は抗MDA5抗体100%,抗ARS抗体90%,抗SRP抗体60%,抗体陰性44%,抗TIF1-γ/α抗体13%で,抗Mi-2抗体は合併を認めなかった.IP合併DMでは抗MDA5抗体51%と抗ARS抗体41%が大多数を占め,MSA陰性は5%のみであった.IP合併PMでは抗ARS抗体71%,抗SRP抗体21%およびMSA陰性例8%を認めた.【結論】抗Mi-2抗体陽性例およびMSA陰性例は予後良好でステロイド単独治療に良好に反応した.IP合併DMは抗ARS抗体と抗MDA5抗体の検索が,IP合併PMは抗ARS抗体と抗SRP抗体の検索が強く勧められる.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
-
三森 経世
京都大学医学部附属病院免疫膠原病内科
-
井村 嘉孝
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
井村 嘉孝
京都大学医学部医学研究科 臨床免疫学講座
-
細野 祐司
京都大学医学部医学研究科 臨床免疫学講座
-
中嶋 蘭
京都大学医学部医学研究科 臨床免疫学講座
-
湯川 尚一郎
京都大学医学部医学研究科 臨床免疫学講座
-
吉藤 元
京都大学医学部医学研究科 臨床免疫学講座
-
大村 浩一郎
京都大学医学部医学研究科 臨床免疫学講座
-
吉藤 元
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
大村 浩一郎
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
中嶋 蘭
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
湯川 尚一郎
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
三森 経世
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
三森 経世
京都大学医学部医学研究科 臨床免疫学講座
関連論文
- バセドウ病眼症に合併した外眼筋の Malignant Lymphoma
- 2.HCV陽性クリオグロブリン血症に膜性増殖性糸球体腎炎を合併しクリオフィルトレーションならびにステロイド,INF治療を施行した1例(一般演題1部,日本アフェレシス学会第29回関西地方会抄録)
- P2-05 多発性筋炎・皮膚筋炎の自己抗体と生命予後および間質性肺炎の関連
- W5-2 混合性結合組織病(MCTD)および抗U1-RNP抗体陽性膠原病のゲノムワイド関連解析(GWAS)
- P4-02 混合性結合組織病(MCTD)および抗U1-RNP抗体陽性膠原病のゲノムワイド関連解析(GWAS)
- W5-1 IL12Bは高安動脈炎の新規疾患感受性遺伝子でありHLA-B*52 : 01と相互作用を示す
- P7-04 タクロリムス投与時のグレープフルーツジュース併用の有効性と安全性の検討
- P4-01 IL12Bは高安動脈炎の新規疾患感受性遺伝子でありHLA-B*52 : 01と相互作用を示す