冠動脈造影症例におけるイコサペント酸/アラキドン酸比(EPA/AA)と冠動脈病変重症度との関連

概要

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【背景】イコサペント酸/アラキドン酸比(EPA/AA)と冠動脈病変形態との詳細な検討をしている報告は少ない．【方法】対象は当院で冠動脈造影(CAG)を施行した連続164例．EPA製剤の内服，および急性冠症候群症例は除外した．CAG当日12時間絶食後に採血し，脂肪酸4分画など各種代謝パラメーターを測定した．SYNTAXスコアはSYNTAX Score Calculator 2.1を用いて計算した．【結果】EPA/AA <0.5は有意狭窄の有無(OR 3.29, 95% CI 1.39 to 7.79; p=0.01)多枝病変の有無(OR 2.87, 95% CI 1.16 to 7.08; p=0.02)複雑病変の有無(OR 3.64, 95% CI 1.58 to 8.36; p=0.002)の独立規定因子であった．EPA/AA <0.5群はEPA/AA >0.5群に比べて有意にSYNTAX Scoreが高値であった(14.5±3.2 vs 9.3±3.8; p=0.04)．【結論】冠動脈造影対象症例においてEPA/AA <0.5は，冠動脈有意狭窄，多枝病変，複雑病変，SYNTAXスコアとの有意な関連が認められ，冠動脈疾患の病変進展のマーカーとして活用できる可能性が示唆された．