熱移流を考慮した日本列島の熱流束分布と雲仙火山を対象とした熱・水連成シミュレーション
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概要
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わが国では1957年以降精力的に地殻熱流量 (伝導熱流束) の測定が行われ, 日本周辺での分布が明らかにされている. これに対して, 火山地帯等での熱輸送評価に必要な伝導熱流束と移流熱流束の総熱流束についてはその分布の特徴を明らかにするほど調査が進んでいない. 本報では, 日本全国のボーリングデータから総熱流束および流体流動速度を計算した. その結果, 総熱流束が東北日本では太平洋側で低く日本海側で高い傾向があり, 西南日本では, 瀬戸内海周辺で相対的に低い値であること, 総熱流束の高い地域が第四紀火山付近に集中していること, 1W/m2 以上の高総熱流束は熱源により流体対流系中に局所的に発生する速い上昇流がもたらした可能性が考えられること等が明らかになった. 本報では, さらに島原半島の雲仙火山を事例に, 三次元非定常熱・水連成モデルによって火山下の熱輸送や温度構造の感度解析を行うとともに, この火山周辺のボーリングデータから得られた総熱流束とシミュレーション結果との比較を行った.
- 一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会の論文
著者
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浅森 浩一
Geoscience Research Group, Tono Goescience Center, Japan Nuclear Cycle Development Institute
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坂川 幸洋
Geoscience Research Group, Tono Goescience Center, Japan Nuclear Cycle Development Institute
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梅田 浩司
Geoscience Research Group, Tono Goescience Center, Japan Nuclear Cycle Development Institute