中国新型農村合作医療保険制度の現状とDEAモデルによる制度運営効率の測定
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概要
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中国農村部を対象とした公的医療保険制度である新型農村合作医療保険制度は,国民が整備を切望する重要な社会保障制度である。<br />本稿は,(1)重病による入院を主な保険対象としたため,外来診療を結果として排除せざるを得なかった同医療保険制度の問題点の明確化,(2)地域ごとに異なる運営がなされる同制度の地域間効率性の比較,(3)公平かつ効率的な医療保険制度への提案,の3つからなる。<br />分析の結果,都市と農村間そして農村(東部,中部,西部)間の医療アクセスや医療給付水準の格差は縮小傾向にあるものの,依然大きい。また,DEAモデルを用いた地域ごとの医療保険制度運営効率は2006年に医療保険政策の変更を受け一時低下したが,その後回復を示し,地方政府の対応の速さが確認できた。今後,外来診療への政府財源の投入,農村の末端医療機構の改善などの改善を通じ,患者の自己負担率3割の実現が望まれる。
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